追憶~母へ~

ご依頼を受け、既に旅立たれた母を想う歌を制作しました。

今年も もうすぐ終わりですね
そっと 耳元で囁いて
握った 手のぬくもり
幼い頃を 思い出す
あの日 夕日が眩しくて
細めた 私の瞳(め)に光る
微笑む 母の姿
手をつなぎ 家路を 急ぐ ひと時

母が指を 差した先は
真っ赤に染まった 空と思い出
あぁ 二人で 家(ウチ)に帰るの
ささやかな しあわせの瞬間(とき)

時流れ 窓の外 あの日と同じ
夕焼け色が街を包んで
枯れ葉が 儚くて
あなたは遠くへ 行ってしまうの?
ベッドを 囲んだ十二の瞳
あなたの 名前を呼ぶ声が
届いていて欲しい
何よりも 強く 心で 願って

末っ子だから 別れが早いの
母の言葉は 分からないまま
幼かった 私は ただ
怖さをギュッと 隠して

いつも 私を待っててくれた
あなたを 一人占めした夕食
絶えない 笑顔で
お喋りしながら 食べたよね
当たり前 のことだと思っていた
感謝の 気持ちも伝えないまま
あなたは ずっとずっと
遥か 遠くへ 旅立って行きました

溢れるほど 優しかった
それはあなたからの 宝物
分け合い 慈しみ 生きていくから
そっと 見守っていて

いつか会う時が 来たとしたなら
あの日と同じ 夕焼けの下で
手を繋いで お土産話
いっぱいいっぱい 聴いてね
ありがとう 本当に  ありがとう