スコップ

  

道なき道を 耕して
実りの種を 蒔こう

「今日」という 扉があって
ノブを回し 開いてみた
少し湿った 土だけが
ずっと遠くまで 広がっていた

クワとバケツとスコップ
お日さまもある それで充分さ

道なき道を 耕して
一つずつでいい 種を蒔こう
やがて根を張り 芽が出るだろう
大きな空へ 笑えるようになるさ

雨が降って 恵みとなり
風が吹いて 強くなるんだ
踏まれても また立ち上がる
僕らにだって 出来るはずさ

疲れたら腰下ろして
深呼吸一つ 空眺めよう

道なき道が 見えなくなる
扉も消えるほど 悩んでしまったり
だけど誰にも 陽は注ぐ
あとはスコップ 持てるチカラを 少しだけ

大きなスコップ 小さなスコップ
大切なのは 大きさじゃない
種を一つずつ 埋めるだけなら
小さくたっていい できることから

道なき道を 耕して
一つずつでいい 種を蒔こう
やがて大きな 樹に育つだろう
大きな空へ 近付けるように
声が届くように 笑えるようになるさ