幸せのカタチ

家庭や家族の在り方をテーマに制作

帰って来た子供の頬に 青黒い痣が出来ていた
思わず駆け寄るわたしを振り払い
2階へ駆け上がり 自分の部屋へ閉じ籠り
聴こえてくるのはすすり泣く声

2年前の10月という 中途半端な季節に
転校してから会話が減っていった
気付いてはいたけれど 仕事に追われたわたしは
手を差し伸べることが出来なかった

ごめんね 幸せを 掴んだと思ってた
結婚 子供 マイホームを持って
でも家庭というカタチが 浮かんでいただけで
雨 風 しのげなかった

あれから不登校になって 離婚してマイホームも売って
今では子供と2人で暮らしてる
17歳の彼は 工事現場へ向かって
一生懸命に生きている

2人の休日を使って 彫刻の森美術館へ
いつもと違う 空 緑 空気
夕暮れに染まってく 彼の表情は
初めて見るほどの笑顔だった

ごめんね 幸せが カタチじゃないことを
大切なのはこころにあることを
教えてくれたのは あなたの笑顔なんだ
ごめんね そしてありがとう

裕福になることを つい夢見てしまうけど
本当のバロメーター お金より家族だよね

ごめんね 幸せは 掴むものじゃなく
こころで感じていただくものなんだ
ほんとはわたしから 教えることなのに
ありがとう 愛してるよ
ありがとう 愛してるよ