ローストチキン

クリスマスをテーマに制作

日暮れて息が白くなり 足並み速く家路を行く
君と二人の最後の クリスマスの夜

貧しい僕はこっそりと 職場で手紙をしたためて
花屋に寄って小さな花束を 手にして

ローストチキンの香りが 玄関前から漂って
火の車の家計でも なんとか手に入れてくれた
子供の頃からのご馳走 覚えていてくれた君
身籠った君はグレープジュース 僕にはミニ缶の ビール一つ

あれから10年が経って 子供は3人目が宿り
貧乏人の子だくさん 賑やかな家(ウチ)で

相変わらずの火の車 やりくりしてくれている君
この季節はいつも あの瞬間(とき)を思い出す

ローストチキンの持ち手に トリコロールの紙を巻き
華やかに見せようと 工夫をしてくれていた
子供の頃からのご馳走 覚えていてくれた君
身籠った君はグレープジュース 僕にはミニ缶の ビール一つ

ローストチキンの香りが 過去と現在を繋いでる
我が家は今もクリスマスの 最高のご馳走かな
家族みんなで囲んで ささやかだけど感じてる
あの瞬間(とき)よりもたくさんの 笑顔があって幸せかな
きっとこの子供たちも 受け継いで行く そんな気がして